村上春樹さんの新刊読みました。
- 作者: 村上春樹
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2013/04/12
- メディア: 単行本
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主人公の多崎つくるさんが、名前に色をもつ高校時代の友達を訪ねるという話。
今回の主人公は30代後半ということで、昔の「僕」シリーズからすると年をとっているのかなという印象。
やはり一番気になるのが、主人公がどこか自分に自信がなくて心を閉ざしているというところ。仕事をたんたんとこなし、かといって散財するわけでもなく。自分のことを中身のない空っぽの容器みたいなものだと言う。みんな僕の空っぽさを確認して去っていくのだという発言。
結局だれもが去っていくのは、主人公がそうやって心をかたくなに閉ざしているからなのではないかなと思う。
心を閉ざした人間と開いた人間では成長の度合いが違うよねっていう話をしていた。誰かを受け入れたり、認めたり、自分のことをさらけ出したり。自分の心の中に相手をどれだけ侵入させるか。
なんだかそんな風にネガティブにならなくてもいいのになって読みながら思っていた。