今日はずっと外で仕事だったので、雲をみていた。
すると黒い雲が向こうの方から縦にあがってくるのがみえた。僕は外での仕事が長いので、どの雲が雨を降らすかよくわかる。黒くて厚みのある雲は間違いなく雨雲である。
ああ、やばいな、なんて考えながらやっていたのだけど、間に合わなかった。雨が降り出した。そこで上を見上げてみると、さっきの黒い雲が横に広がっていた。そして、雨からかすかに海の匂いがした。
あ、と思った。なるほど、夏は気温が熱いから海水が蒸発して、それが雨雲になってやってきて雨を降らすのだと。昔教科書で習ったのだが、こういうことなのかと納得した。
雲は海から借りた水分を地上に返しているだけなんだ。なんということか。自然界というのはこうした循環の中で動いている。何かを貰ったら、何かを返す。
使いっぱなしの化石燃料、作りっぱなしの化学物質。それらは自然に帰ることなく、ただただ消費されていく。こんなことをやっているのは人間だけだ。