一冊300円ほどなのだが、内容は量も質もとにかくボリューミーである。結構読んだなと思ってもまだ半分くらいしか読んでない、というくらい。
内容は終戦前の広島の話。戦争という悲劇、原爆という悲劇をいかに主人公であるゲンがのりきっていくか、という話である。どこまでが本当かは分からないが、みていて相当痛々しいものがある。原爆の熱風で火傷してしまって皮膚がどろどろになってしまった人はたくさんいるし、死んでしまった人たちを集めて焼いたり。グロテスクな内容が続く。そして食べ物も十分になかったであろう。全員が人に親切するわけではない。食べ物を奪い合い、人が人を疑い、おとしめる。
そんななかゲンは最後まで人として、人を大切に思う気持ちを忘れず、命は大事なのだという思いを貫く。どんなに相手がお金持ちでも、どんなに相手が年上でも自分の信念を曲げることはない。そんなゲンの言葉は現代においてもかなり響くのではないだろうか。
何はなくとも、自分の勇気で窮地を脱していく。どんなに辛くても元気を出して、生きていく。家族愛や人間愛が貫かれる。
少しづつではあるが、もう少し先を読みたいと思う。