朝になったと思ったら昼が来て、あっという間に夜になります。1日が過ぎるのは早いですね。
長編小説を書くのに1年かけるという村上春樹さんの話が衝撃的でした。職業としての小説家という本に詳しく書いてありました。
人の平均寿命はどんどん伸びてはいるとはいえ、人生の一年間を一つの作品を作るだけに使うなんて。そんなことが出来る人は、一握りの特別な人間だけでしょう。
例えば僕が一年かけて何かを作るとします。まず何を作っていいか分かりません。生活資金も底をつくでしょう。
つまりそれだけの巨大な作品を作るためには、技術的にも精神的にも体力的にも状況的にも基礎的なものが必要です。普通に生活してる人がいきなり出来ることではないですよね。
村上さんの場合、デビュー作から二作目までは本業のジャズバーをやりつつ、副業として小説を書いていたそうです。
三作目を作ろうと思った時、もっと深い作品を作りたいと思いました。
そのためには時間が必要です。そこである程度うまくいっていたジャズバーを閉じて、作家一本でやっていくことを決意したそうです。
確かに三作目の「羊をめぐる冒険」は衝撃的でした。僕はこの作品から村上春樹さんを知りました。そして、こんな作品を作れるということに驚きました。そこから村上春樹さんの作品を片っ端からとにかく読み漁るようになったのです。
いまや世界的に有名である村上春樹さん。その村上さんですら、本当にやりたいことをやりたいだけやれるようになるまでにはそれなりの経過を辿らなければならなかったのです。
おそらくですが、小説を書いてるうちに楽しさがどんどん増えてきて、もうこれで僕は生きていくのだとある日決意したのでしょう。
限りある人生でそんな風に思えるものに出会えるって素晴らしいことですね。
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