今日は午後から仕事だったので、近くの公園まで2歳の息子を連れていった。
嫁さんの御両親に買っていただいた、補助輪付きの自転車で公園まで向かう。まだ朝の9時にもなっていなかったが、日差しがまぶしい。すでに暑い。もう夏が始まったのかもしれない。
息子はトーマスの列車がたくさん描かれた青色のタンクトップと、膝までの半ズボンをはいている。お気に入りのアディダスの白い帽子もしっかりとかぶる。帽子が大人サイズだから妙な感じだ。
近くの小さな公園についた。すぐに自転車から降りて、ブランコへと走りだす。
「パパ〜」
息子は何かにつけて僕に注文をつけてくる。
「パパもブランコ!」
どうやら隣でブランコに乗ってほしいらしい。仕方ないので隣でブランコに乗ってあげる。キィ、キィと金具がきしむ。僕が重たいのか、金具が錆びているのか。
「パパ押して!」
息子はどうやらブランコをこげないらしい。そりゃそうだ、足が地面についていないのだもの。僕はブランコから降りて、息子の小さい背中を押してあげる。
トーマス、ゴードン、パーシィ、この列車は、なんだっけ、、、
ブランコに勢いがつく。息子は楽しそうだ。
そんなとき、彼の小さい背中をじっと見つめる。なんと小さな背中だろう。まだ2歳児だもの。当然だよ。この世に産まれてまだ2年しか経っていない。
僕は昔を思い出す。僕も両親にこうして背中を押してもらっていた。どれだけ押してもらったかは覚えていない。いまや僕が背中を押す番だ。キィ、キィ、、。僕が息子の背中を押すたびにブランコがきしむ。太陽は相変わらず僕らを照りつけてくる。
いつか息子の背中も僕のようになるんだろう。そしてだれかの小さい背中を押してあげるんだろうか。今度は君が押す番だね。
なんだか不思議なことだ。息子は僕の過去であり、未来でもある。時は平等に流れ、過ぎ去っていく。僕が幼き頃は背中を押され、いつしか誰かの背中を押すようになる。そしてその役目も終わっていく。
いつかその役目を引き継ぐひとが現れる。こうして人生は続いていく。