嫁さんがスタンフォード大のオンラインエッセイ講座を受けている。
生徒がエッセイを書き、それを添削したり評価したりするらしい。
ある生徒が、死んだ母親を海の話になぞらえて書いたらしい。お母さんが海が好きだったのかな。
そんなに詳しい話はしていなかったんだけど、海の話が出てきたもんだから、思わず海が頭に浮かんだ。
ゴミひとつ落ちてないきれいな砂浜
そこには、だれもいない。
白い波が砂浜に静かにうちつける。
ざざん、すう。ざざーん、すう。
波は戻る。
また浜にうちつける。
ただそれをくりかえすだけ。
そのイメージが浮かんだ瞬間、なんか泣けてきた。
おいおい。おれ最近海いってねぇなって。
仕事とかさ、家庭とかさ、いろいろ忙しくてさ、経済新聞なんか読んじゃってさ、ニーチェの哲学とか小難しい本読んじゃって。
まさしく忙殺されてた。頭の中まで忙しくなってた。
時間は守らないといけない。まじめに仕事はしなくちゃいけない。遅れちゃいけない。儲けなくちゃいけない。誰かに褒められないといけない。誰かにけなされちゃいけない。
自分を縛るその全てが、自分を窮屈にする。
海のイメージはそのすべてを解き放ってくれた。
まあつまりあれですわ。疲れてるんだわ。