ノマクニヒコのブログ

書きたいことを書きます。

瀬戸内寂聴さん、エクザイルアツシさんの対談

NHKの達人×達人の録画をみていたら瀬戸内寂聴さんとEXILEアツシさんの対談をやっていた。最近のNHKはなんだか挑戦的で面白い設定の番組が多いと思う。

 

しかし内容としては、すごく大きなことを言ってるなという印象を受けた。平和であってほしいとか、人類が幸福であってほしい、とか。言ってることは分かるし、僕もそんな世界であってほしいと思う。しかし実際にそんな世界になるのはいつになるのやらという感じだ。

 

誰かを殺し合う戦争は起きてないのだけど、目には見えてない戦争が起きてるんじゃないのかと僕は思っている。経済戦争だ。成功をつかむため、誰よりもお金を儲けるため、他人を蹴落とす。純粋なる競争といえば聞こえはいい。しかし、他国の安い労働賃金で作られた安い商品や安い食品が入ってきているのをみていると、こういった世界で競争をしなければならない人たちは大変だなと思う。

 

まさしく数字に翻弄されている。

 

1時間に1000円稼ぐ人間と100円稼ぐ人間を比べた場合に、1000円の人は10倍の価値ある労働をしているのか。10倍価値ある人間なのか。

 

小暮太一さんの「僕たちはいつまでこんな働き方を続けるのか」で目から鱗が落ちたのだが、たいていの給料は能力に応じて決まるのではなく、その人の生活費に応じて決まる。だから生活費の安い国の賃金は安くなるし、生活費がかかる国の賃金は高くなるのだ。生活費の安い国の労働力を使ってモノを作るというのはある意味ズルをしているとも言える。

 

寂聴さんが最後にいっていた言葉が一番心に響いた。「目にみえないものを大切にするようになれば良い」と。本当にその通りで、1000円だとか、100円だとかじゃなくて、本質を見極めなくちゃいけないと思う。100円にしかならなくても、本当に大切なことや、良いことは必ずやらなくちゃいけないのだ。そしてそうやって価値あることをやっている人を全員で守っていかなくてはならないと思う。人に親切することはお金にならなくても大切なことだし、人間として社会を温かく安心なものにしていく上で大切なことだろうと思う。

 

数字に翻弄されてはいけないと思う。我々の世界は数値化できないもので溢れていて、本当に大切なことはお金にならなくても守らなくてはいけないと思う。