本紹介1冊目。
ミヒャエルエンデの「モモ」です。
<あらすじ>
円形劇場の廃墟に住みついた、もじゃもじゃ頭で粗末な身なりをした不思議な少女モモ。黙って話を聞くだけで、人の心を溶かし悩みを解消させる能力を持った彼女のまわりには、いつもたくさんの大人や子どもたちが集まっていた。しかし「時間」を人間に倹約させることにより、世界中の余分な「時間」を独占しようとする「灰色の男たち」の出現により、町じゅうの人々はとりとめのないお喋りや、ゆとりのある生活を次第に失っていく。(アマゾンの商品紹介より)
読みやすさ ★★★★★
学べる ★★★★★
表現の美しさ★★★★
<書評>
1冊目ということで一番好きな本を。モモという少女が主人公です。モモが暮らす街では、みんなが穏やかに暮らしていました。
しかしある男たちの出現で現状が一変します。灰色の男たちです。
彼らはお金を貸し付けて人々に借金をさせます。ある人は借金のおかげで立派なレストランを持つことが出来ました。でもその借金を返すためにその人はあくせく働かないといけなくなりました。時間を彼らに奪われてしまったのです。
僕はこの本を読んで現代社会を如実に表しているなと思いました。
人は時間を節約する。借金を返すために働く。そんなにあくせく働いたところで疲れるだけです。僕はこの本は資本主義社会に対する批判だと思っています。きらびやかな物を手に入れる代わりにのんびりする時間を失っている。誰かとおしゃべりする時間を失っている。
本当に大事なものはなんなのか。そういうものを考えさせられる本でした。