子供に「将来の夢はなんですか」と聞くのはナンセンスな質問だと思う。
野球選手になりたいとか、ケーキ屋さんになりたいとか、みんな憧れだけで、イメージだけで夢を語る。
実際その夢を叶えた人はどれくらいいるだろう。
「この仕事をするのが子供のころからの夢だったんです!」
学生時代から付き合って、そのまま結婚したカップルぐらい珍しいことだと思う。
多くの人は夢を忘れ、現実的な仕事に就く。自分でもやれそうなこと。採用してくれた会社の仕事。
僕は夢を持つのを批判したいのではない。
夢は憧れ。何かに憧れるのは、そのことに興味関心があるからだと思う。何かに興味や関心を持つことは、とても大事なことだと思う。
なぜなら、興味や関心があるということは、行動のきっかけになるからだ。
「あれは面白そうだ」
「どうしてこうなるの?」
そういった興味や関心があれば、もっと調べてみたいと思うし、自分でもやってみたいと思う。学びの原点だと思う。
そして、興味、関心こそ「やりたいこと」の出発点だ。
やりたいことは、そのときの興味や関心によって変化する。
夢をもつことに必死になるのではなく、興味関心をもつことに必死になったほうがいい。学校に行くより自発的に学ぶことができる。自発的な学びのほうが、吸収率も明らかに高い。
大人になると、打算的なところも増えてくる。時代の流れとか、世間のニーズとかを意識する。それも大事だと思う。パトロンでもつかない限り、自分だけが興味、関心があることをやるのは難しい。社会が求めるもの、流行ってるものに自分の能力を寄せていく必要もある。
生きるためには、相手が必要なものを提供してお金を得る必要があるからだ。
アリを観察するのが好きで、ずっと観ていたいと思う人がいたとしても、誰かがお金を出さなければ研究は継続的にできない。生活の役に立つものを発見できたり、大学が雇ってくれるなりしないと、生活ができない。ある程度は自分の好きなことをぐにゃりと曲げて、世間に寄せていかないといけない。
時代の流れ、ニーズというものをつかみつつ、じゃあ自分は何ができるだろうということを考えていかないといけない。
ニーズがあるものを売るのと、ニーズがないものを売るのでは、必要な労力も異なる。明らかにニーズがあるものを売るほうが楽だ。こっちが努力しなくても売れるんだもん。売れないものをどう売るかみたいな議論もあるけど、売れるものを売ったほうがいいよね。
それをマーケティングっていうのかもしれない。
でも、子供のうち、学生のうちは、社会のニーズなんか関係なく好きなことができる。
親が金を出してくれるから。これってすごいことだ。だから学生のうちは、自分の興味があること、関心のあることを継続的にやってみるのがいいんじゃないだろうか。大人になったら、それをどう活かせば自分の生計が成り立つか考えてみる。
と、ここまで正論をかいてみたが、
大人になっても、好きなことが見つかったらやってみるのがいいと思う。学生に戻るのだ。
なんで大人は学生になれないの?
海外では社会人になって大学に入り直したりする人もいるらしい。
大人が学生になってもいいんじゃないの?お金を稼ぐことも大事だけど、自分に必要なスキルや知恵を得ることも大事だろう。
大人になっても継続的に興味、関心を持ち、学び続けること、行動していくことは大事なことだと思う。