フィクションは空想、想像。作り話。実際には起きていないこと。小説とか神話、昔話とかそうですね。
ノンフィクションは実際に起きたこと。ドキュメンタリーとかニュースはこちらの部類かと思います。
ノンフィクションは情報をメインに伝えます。特にニュース報道はその最たるものです。
例えば20代の男性が銀行に強盗事件を起こしたとしましょう。報道はそのまま一時的な情報を伝えると思います。
「〇月〇日未明、20代の男性が銀行に押し入り宝石を奪いました。」
ドキュメンタリーはそれを更に詳しくした形だと思います。
犯人や、銀行員、はたまた犯人の家族などにインタビューをして詳細を描いていく。犯人はどのような人生を送ってきたのか。犯行の現場はどのような状況だったのか。ニュース報道では分かり得なかった犯人の心情や状況などが分かるかもしれません。
続いてフィクション。
これは完全に作り話です。実際に起こったことをもとに書かれたかもしれないし、そうでないかもしれない。読者は作家が用意した設定や人物の中に入り込み、事件を追体験します。
読者の視点は作家の作風によって様々です。「僕」や「私」のような視点を用意されることもありますし、俯瞰図のように客観的な視点を与えられることもあります。
まるで作家が用意した劇場に招待されてそれを映写機で見させられるようなイメージでしょうか。
そこで語られるものは事実ではなく、一見すると無駄ともいえるものたちです。その人はどのような体型をしていたのか。その人はどういう服を着ていたのか。果たしてそれは起こったことに関係があるのか。
僕はノンフィクションもフィクションも読んできましたが、フィクションの方がよく覚えています。
なぜかはわかりません。
特に村上春樹さんの作品はまるで映画のように映像が頭の中に残っています。文字しか情報は与えられていないのですが、その文章から起こされたイメージはいつまでも自分の頭の中に焼き付いています。この場所はこういう所に違いないとか。この場面はこういう雰囲気だろうとか。この人はこういう人だろうとか。
覚えているからなんだと言われれば何も言えません。いい作品だったことは間違いないでしょうが。
フィクションとノンフィクションの違いについて書いてみました。