近くのスーパー銭湯にいった。
身体を洗っていると、目の前に鏡がある。
そこには、33年間生きてきた自分の顔と身体が写っていた。
「僕はこの身体と共に生まれて、この身体と共に年をとる」
そんなことを考えた。
僕は、生まれてから、いろんな経験を積んで、いろんな食べ物を食べて、いろんな人と出会い、いろんな人と別れてきた。
それが僕の経験してきた人生だ。
生命は謎だ。生命は、何のために生まれて、何のために、次世代を生み出すのだろう。全ての生命体は、子孫を残す。自分の身体だけでは永遠に生きることができないからだ。
もしも不老不死ならば子孫を残す気になるだろうか。
夏休みが永遠に終わらなければ、人は永遠に宿題をやらないはずだ。
「僕の身体は、ただの生命をつなぐ箱」
そう捉えてみたら、いったいなにが僕を生かし、いったいなにが僕に次世代を残すことを突き動かしているんだろう。
一神教の世界ならば、「神」が正解なんだろう。
説明はつかないけれども、僕は親のおかげで生まれた。子供を産みだす手助けをした。
生命をつなぐ大きな流れの中に僕はいる。それだけは確かなことだろうと思う。